アンジュエールの道標
ざわりと真っ白な髪が揺れる。
さっきまで赤く染めていた血はその髪から滑り落ちてる。
「完全な黄金律の蜜でなくてもこれほどとは……」
にたりと笑った口の端から鋭い牙が見えた。
「白夜!」
いつもの声とは違って、低く鋭い声に私もだけど白夜さんの身体もビクリと震えて。
「いい加減にしないと怒るよ?」
そんな台詞とは裏腹に笑ってる永久さんの顔。
ううん、でもその瞳は笑ってない。そして、紅茶色の髪がふわりと銀色に色を変えた。