密フェチ†眠れる恋の…

「し、…しょ、ちょ」

「寝込みを襲われるのは趣味じゃない」


声は寝起きに掠れていたけど---

私を見つめる目は冴えていた。


一瞬で氷の塊が、体の中を滑り降りる。

「っ、すみません」



震えながら俯いた私の手を、所長が引き寄せた。


「もう目が覚めた---

今なら、襲われてやるよ」



掴んだ私の手を自分の唇に触れさす。

「っ、---ゃ!」


引かれた手は強く握られていて…重なったまま今度は

所長の喉仏から鎖骨、シャツの中、引き締まった腹筋へと導かれる。

初めて触れる、硬くて熱い男の人の体。

私の体の奥に、得体の知れない熱が灯る。



---怖い…


涙が溢れた瞬間、体を起こした所長に抱きしめられた。


「お前、仕事は良くできるけど馬鹿だな。

俺に惚れてるって、まだ気が付かないのか?」



---ううん、心のどこかで気が付いてたかも。


所長のことを考えると、乱れる胸の鼓動に。

でも、初恋さえまだの私には、向き合うことが怖かった。


「俺もお前に惚れてる。

これからそれを証明するから」



そしてそのキスで、私は目覚めるの…---



< 3 / 3 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:20

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

表紙を見る
†すべてはこの夜に

総文字数/2,819

恋愛(キケン・ダーク)8ページ

表紙を見る
表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop