密フェチ†眠れる恋の…
「し、…しょ、ちょ」
「寝込みを襲われるのは趣味じゃない」
声は寝起きに掠れていたけど---
私を見つめる目は冴えていた。
一瞬で氷の塊が、体の中を滑り降りる。
「っ、すみません」
震えながら俯いた私の手を、所長が引き寄せた。
「もう目が覚めた---
今なら、襲われてやるよ」
掴んだ私の手を自分の唇に触れさす。
「っ、---ゃ!」
引かれた手は強く握られていて…重なったまま今度は
所長の喉仏から鎖骨、シャツの中、引き締まった腹筋へと導かれる。
初めて触れる、硬くて熱い男の人の体。
私の体の奥に、得体の知れない熱が灯る。
---怖い…
涙が溢れた瞬間、体を起こした所長に抱きしめられた。
「お前、仕事は良くできるけど馬鹿だな。
俺に惚れてるって、まだ気が付かないのか?」
---ううん、心のどこかで気が付いてたかも。
所長のことを考えると、乱れる胸の鼓動に。
でも、初恋さえまだの私には、向き合うことが怖かった。
「俺もお前に惚れてる。
これからそれを証明するから」
そしてそのキスで、私は目覚めるの…---