c-wolf
僕はCと一緒に仕事をしている。


もちろん、亮も。


僕たちの仕事っていうのは”殺し ”のこと。


ゼルトとは、こんなに殺しが増える前はまだ今よりは二人で話すことも、遊ぶことも結構あった。


それが、殺しが増えるにつれて減っていった。


当然っちゃ当然だけど。


いつだってCは僕よりも人を殺していた。


これ以上殺しをするのかってくらい。


気づけばいつの間にか僕から話すことは、ほとんどなくなった。


「ガキ」


いつの間にかトリップしていた意識が亮の声で呼び戻されて、数拍遅れて返事をした。


「……ん?」


「顔が不細工になってる」


「……は?」


不細工だよって言いながらも、相変わらず亮の視線は手元に集中したまま。


見てもいないくせに、どの顔をやめろっていってるんだよ。


「何考えてるかはなんとなく分かるけど……。そうやって顔しかめるのやめて。不細工だから」


「不細工?」


「うんブサイク」


「見えてないよね?」


「しっかりと見えてるよ」


「嘘つき」


「嘘じゃねぇよ」


「ずっとゲームしか見てないじゃん」


「見てるんだよ」


そういって亮は楽しそうに口角をあげた。


「ちなみにフィーリア」


「ん?」


「ゼルトが待ってるよ」


「え?」


振り返ると、壁に背をあずけてたっているCと目が合った。


亮に促されるままCの方へ行くと、Cは壁から背を離した。
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