c-wolf
「それで、明日、どこでランチすんの?」


「僕たちで決めていいって」


「ふぅーん、じゃぁ、寿司食おう、寿司!」


「えぇ!またぁ!?」


「日本人は寿司だろ」


「ここ、日本じゃないしー!!」


「俺が日本人だから!」


「……わかったよ……。皆に伝えてくる」


「おう」


なんかちょっと嬉しそうな亮に、行ってくる、って手を振ったとき、Cは疲れてんだから、まったり過ごしたいかもしんない。


だから明日は止めたほうがいいかもしれない。


なんて余計なことを考えるのが僕の悪い癖だ。


それでも嬉しい気持ちは変わらないから悪い考えはすぐに頭の中から追い払うことにしている。

「花、桜」


僕が黒髪、長髪の華奢な後ろ姿に声をかけると、二人は同時に振り返った。


「相変わらず、仲良しだね」


笑いながら言うと、二人はやんわりと微笑んだ。


「そっかなぁ~……。普通だよねぇ~」


「そうだよねぇ~」


そのゆっくりとした口調は、眠気を誘う。


だから、僕は早口に事伝えた。


すると、二人の目が一気に輝いた。


「ヴォレフと食事ができるのぉ~?」


「やったねぇ、何ヶ月ぶり?」


そう、Cはとっても人気だ。


かっこいいからね。


ちょっと性格は不思議だけど。


それでも、皆に好かれるところはたくさんある。


確かに、殺しをしているけど、ここのグループは皆、Cに助けられた者ばかりだ。


だから皆Cの優しいところを知っていて、皆がCを好いている。


もしかしたら、僕みたいに恋心を抱いてる人もいるかもしれない。


この前なんか、依頼者に一目惚れされて、告白までされていた。


…………なんか、悲しいな。


Cはそもそも恋愛なんて興味ないだろうし、男も女も皆同じ扱いだから、気に入った子なんて誰もいないと思う。


ううん、Cは皆気に入っているから同じ扱いなんだと思う。


現にCと仕事をした回数はメンバー皆一緒だった。


それでもCと一緒に仕事ができたときは嬉しい。


仕事中は何もCは話してくれないけど。
< 37 / 85 >

この作品をシェア

pagetop