c-wolf
でも、やっぱり亮の隣を選んだことは、僕にとっては大正解だった。


すっと自然に気持ちが集中してくれて、他の事は何も考えずに没頭できた。


だけど、そろそろ、終わろうって言われて、その瞬間じわじわと現実に引き戻される。


ほんの数時間だったけど、少しはリセットできたのか。


なんとなく気持ちは軽く感じた。


そうやって気持ちに隙間ができたら、さっきのやりとりを思い返す余裕もできたみたいで。


数回、自分の言葉を思い返してみたりしたら、自己嫌悪に陥った。


返事も聞かずに一方的に会話を切るなんて、さすがに態度悪かったかな。


Cは怒ったかな。


いや、多分怒ってない。


Cにとって僕はどうでもいい存在なんだから。


でも、顔が見れたらそれでいい、なんて純愛は僕には無理だよ。


………………Cは、どうなんだろう。


「え!?ゼルトだけこれなくなったの!?」


メンバーにそう告げると、皆残念そうにため息をついた。


「だったらランチ行く意味あんまないじゃん」


「そうだよ~。このメンバーはいつでも会えるけど、ヴォレフは珍しいからランチに行くっていったのに……」


「でも、仕事だから、仕方ないよねぇ~」


結局、明日のランチはなしになった。
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