c-wolf
「あ」


「……ん?」


「白髪」


「うそっ」


「嘘」


思わず顔をあげた僕に、亮がにっこり笑う。


「なんだよ」


「驚いた?」


「すごいびっくりした……」


僕がそう言うと、亮が満足そうに笑うから、一緒になって笑った。


堪えてた涙は、もうどっかいっちゃった。


亮はエスパーなのかもしれない。


だからいつも僕の気持ちが分かって、泣きそうなのも分かったのかもしれない。


そんなことを、半ば本気で思ったりした。


「二人とも、いつも仲良しだね」


ふっと顔をあげると、優しいCと、狼のCが混ざった性格のCがこちらを見下ろしていた。


胸の中の重さが増して、亮に軽くしてもらって分があっという間に埋まっていく。


「フィーリア、もしかして、あんまり寝てない?」


「え…………なんで?」


「顔色、あんまりよくないから」


「そうかな……ぜんぜん平気だけど」


あまりにも予想外なこといわれて、戸惑った。


確かに眠れなかったけど、こんな重たい僕の汚い気持ちがバレるんじゃないかっていう不安ととくに体調が悪いわけでもないのに心配されたことの驚きと、Cが僕を気にかけてくれたことが嬉しいのと、ごっちゃになって、微妙な顔しちゃってるかもって思ったら。


「ふーん」
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