c-wolf
って、興味なさそうに部屋からでていった。


そのとき、亮が小さく舌打ちをした。


顔は無表情な気がする。


それとなく、機嫌が悪いようにもみえた。


「……なんか、怒ってる?」


「うん」


「…………そっか」


即答した亮の言葉に、僕せいでこんな風に怒ってくれることが有り難くて、申し訳なくて、でも情けなくて。


僕の気持ちに気づいた亮が困ったような顔で僕の肩に腕を回して、ぽんぽんって軽くたたく。


なんでこんなに僕のこと分かるのかなぁ、亮は。


でもさ、Cが悪いんじゃないんだよ。


僕がなにも言わずに、気づかせないようにしているのが悪いんだ。


なのに、あんなたった一言で傷ついてる僕が、ダメなんだよ。


都合よすぎて、自分でも笑えるよ。


こうやって、亮に心配かけてる僕も。


全部分かって受け止めてくれるって知っていながら、それを利用してる。


ごめんね、亮、甘えてばっかで。


亮はそんな僕の考えもお見通し、とでも言うように僕の頭を撫でて、僕が視線を向けると、ひどく優しく笑った。


そのとき、扉が激しく開いて、すっごく苛ついてる顔をしたCが入ってきた。
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