c-wolf
「……どうしたの?」


慌てて訪ねると、Cの目が眇められて……、怖い。


そう思った。


亮がゆっくりとした口調で言った。


「ゼルト、何かあったのか?」


Cは小さく舌打ちをした。


「お前等には、関係ないことだ」


そう短く言って、ベランダにでて、またあそこを眺めた。


国の最高監視官であるPOL。


今、CはそのPOLに囚われているっていうくらいPOLに興味を持っている。


この前POLの伽羅っていうやつ壊したし。


伽羅のところに行ったし。


伽羅に嫉妬しているとか、そういうのではない。


ただ……


伽羅が目障りなだけだ


そのとき、Cがうめき声をあげた。


とても、苦しそうに、死にそうに、そんな声をあげて、ゆっくりと倒れた。


それを……


「ゼルト!」


亮が受け止めた。


初めてだった。


Cがこんな風に人前で倒れたりするのが。
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