c-wolf
音も立てずに開かれた防弾ガラスで出来た自動扉から中に入ってきた人物をみて、中にいた人々が騒ぎ始めた。
それは上階まで広がったのか、広い広い高層ビルの中心に立っている威濡と琥露を人目みようと、エレベーターから、エスカレーターから、階段から、いろんなところからいろんな顔がでていた。
威濡はふんっと鼻をならし、顔をしかめた。
「いっつもここはうるさい。だから裏口から回ろうつったんだよ」
「裏口から回れば、官長には知られることができない」
「別に官長ぐらいいいだろ……」
「よくない」
その時、前方に背筋を伸ばして立っている人をみて、二人は一安心、というように顔を緩めた。
「よぉ、珠羅(しゅら)」
珠羅はゆっくりと礼儀正しく二人にお辞儀をすると、形のいい唇を動かした。
「官長からの指示です。威濡は長旅で疲れているだろうから、官長に会いに来るのは明日でいいとのことです」
威濡は首を横に振った。
それは上階まで広がったのか、広い広い高層ビルの中心に立っている威濡と琥露を人目みようと、エレベーターから、エスカレーターから、階段から、いろんなところからいろんな顔がでていた。
威濡はふんっと鼻をならし、顔をしかめた。
「いっつもここはうるさい。だから裏口から回ろうつったんだよ」
「裏口から回れば、官長には知られることができない」
「別に官長ぐらいいいだろ……」
「よくない」
その時、前方に背筋を伸ばして立っている人をみて、二人は一安心、というように顔を緩めた。
「よぉ、珠羅(しゅら)」
珠羅はゆっくりと礼儀正しく二人にお辞儀をすると、形のいい唇を動かした。
「官長からの指示です。威濡は長旅で疲れているだろうから、官長に会いに来るのは明日でいいとのことです」
威濡は首を横に振った。