c-wolf
「……」
急に体のバランスを崩し、その場に倒れる伽羅を支えたc-wolfは伽羅を肩にかつぎ上げた。
ちらりと周囲を伺えば、人間の姿はもうなかった。
辺りはまた最初と同じ血の臭いを漂わせ、異様な静寂を取り戻していた。
c-wolfは伽羅を担いだまま教会へと足を向けた。
c-wolfが教会の中へと入ったとき、また教会が月明かりで照らされた。
色のついたガラスが教会の中を様々な色に輝かせる。
教会は普通の教会と変わりがなかった。
だが……。
キーンと甲高い音がした。
c-wolfの脳内に直接響く音。
「……うるさい」
c-wolfはそれでも動揺せずに、なおも響き続ける音の波に顔をしかめた。
一歩一歩踏みしめながら教会の奥へと足を向けるたびにひどくなるばかりの音に、耳がおかしくなりそうだ。
その音に苛ついたc-wolfがとうとう刀を構えた時、ふっと音が消えた。
辺りが無音になる。
「あんた、誰?」
c-wolfの視線の先には聖母マリアの肩にまるで肩車されているように座っている燃えるような赤髪の青年がいた。
照明の具合によって影になっているせいでその顔はよく見えない。
ただ、どこか雰囲気がこの世離れしているようで不気味だった。
チッと舌打ちしたc-wolfは肩に担いだ伽羅を長いすの1つへ横たわらせた。
さすがに肩に担ぎっぱなしというのは動きにくい。
伽羅を横たわらせたc-wolfはもう一度青年を見上げた。
「同じことを2回聞くのは好きじゃない。さっさと答えろ」
彼の赤い目が苛立ちを露わにしていた。
青年はニヤァと笑った。
そして、人差し指をピンと立てた。
「俺はレガルト=シューツ。俺のこと人間は”吸血鬼 ”つって呼んでる。あんたは俺のことシューツって呼んでよ。c-wolf様よぉ?」
c-wolfは小さく笑った。
急に体のバランスを崩し、その場に倒れる伽羅を支えたc-wolfは伽羅を肩にかつぎ上げた。
ちらりと周囲を伺えば、人間の姿はもうなかった。
辺りはまた最初と同じ血の臭いを漂わせ、異様な静寂を取り戻していた。
c-wolfは伽羅を担いだまま教会へと足を向けた。
c-wolfが教会の中へと入ったとき、また教会が月明かりで照らされた。
色のついたガラスが教会の中を様々な色に輝かせる。
教会は普通の教会と変わりがなかった。
だが……。
キーンと甲高い音がした。
c-wolfの脳内に直接響く音。
「……うるさい」
c-wolfはそれでも動揺せずに、なおも響き続ける音の波に顔をしかめた。
一歩一歩踏みしめながら教会の奥へと足を向けるたびにひどくなるばかりの音に、耳がおかしくなりそうだ。
その音に苛ついたc-wolfがとうとう刀を構えた時、ふっと音が消えた。
辺りが無音になる。
「あんた、誰?」
c-wolfの視線の先には聖母マリアの肩にまるで肩車されているように座っている燃えるような赤髪の青年がいた。
照明の具合によって影になっているせいでその顔はよく見えない。
ただ、どこか雰囲気がこの世離れしているようで不気味だった。
チッと舌打ちしたc-wolfは肩に担いだ伽羅を長いすの1つへ横たわらせた。
さすがに肩に担ぎっぱなしというのは動きにくい。
伽羅を横たわらせたc-wolfはもう一度青年を見上げた。
「同じことを2回聞くのは好きじゃない。さっさと答えろ」
彼の赤い目が苛立ちを露わにしていた。
青年はニヤァと笑った。
そして、人差し指をピンと立てた。
「俺はレガルト=シューツ。俺のこと人間は”吸血鬼 ”つって呼んでる。あんたは俺のことシューツって呼んでよ。c-wolf様よぉ?」
c-wolfは小さく笑った。