千年桜
「ケイ!本当の事を言って!…赤李の記憶、持ってるんでしょ?」
「…っ…!……そうだ」
やっぱり!
今、私の目の前には…
私が愛した人の…記憶を持っていて、
直系の子孫である…ケイがいる。
記憶を持っている事は…嬉しい
きっと赤李の気持ちを伝えてくれるから。
でも…『直系の子孫』……
それは、赤李が…私以外の人と愛し合ったという事。
あの時―…
―――魔法の桜が魔力を失い始めてなかったら…?
―――私がサクラ家の血筋じゃなかったら…?
―――サクラ家の使命を捨ててあのまま過ごしてたら…?
私と赤李の未来は…変わってた?
…って…考えても何も変わらない。
私は、こういう未来を選んだんだから…
赤李の気持ちを聞かずに、
自分の言いたいことだけ言って…
だから…幸せになれたなら、それでいい―…