ぜんまい仕掛けの歌姫
「…何をやっているんだい?」
僕は後ろを見た。
さっきの男が立っていた。
「おじさん、リールは人間だよね!?」
僕は男の服の裾を掴みながら聞いた。
人間だと答えてほしかった。
「リールは…人間じゃないんだ…」
僕は、その場に座り込んだ
「うぅ…うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
僕は思いっきり泣いた。涙が枯れるまで泣き続けた。
リールともう会うことができない。リールともう話すことができない。
リールは壊れてしまった。
そう考えると、泣くしかできなかった。
―リールに伝えることができなかった、