LOST ANGEL
1 セーラーフクユウレイ

ジリリリリ…。

ベッドの脇にある目覚まし時計が勢いよく叫ぶ。

うつぶせになったまま右手だけを目覚まし時計に伸ばす。

この行動は本日3回目。
過去2回はアラームを止めることに成功した。

「うっ…」

少しはい上がろうと枕から顔を浮かせた瞬間、指先に触れた目覚まし時計は見事にベッドの下へと落下した。

「ふぁ〜…」

ため息とあくびが交ざりあった。

仕方なく身体を起こして、いつまでもわめいている目覚まし時計を拾った。

時刻は10時10分。

おもわず脳裏に眉毛の形が浮か
ぶ。

オレの眉毛は9時15分かな?

そんなバカみたいなことを考えていたら、またあの頭痛が襲ってきた。

最近毎朝といっていいほど、この頭痛に襲われる。

頭全体がズシッと重くなるのだ。
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