LOST ANGEL
4 ウシナッタモノ
杏奈と出会って5日が経った。
しかし成仏できる手がかりは未だ見つからず、とりあえず杏奈と関係のあった場所をひたすら巡っていた。
「今日はどうする?」
日差しが照りつける中、風を切って心地よくチャリを走らせるオレに背後から話し掛ける杏奈。
杏奈の持つ携帯へも何の連絡もなく、彼女のテンションも「ど〜でもいいや〜」状態に陥っていた。
「ど〜するかな〜?」
相原と会った次の日はまる1日寝ていた。
久々の外出がかなりこたえたらしく、杏奈がどんなに怒鳴り起こしてもピクリともしなかったらし
い。
「マスコミ関係あたってみる?」
オレは例の女子高生の言葉が気になっていた。
「え〜…なんか嫌だよ〜」
「でも、杏奈が関係してそうな場所はほとんど行ったしさ」
「……」
返事がないと心配になる。
杏奈の冷気に慣れてしまったせいで、逆に杏奈を感じなくなってしまったから。
「…杏奈?」
「あっ…」
「えっ…?」
「まだ行ってないじゃん!」
鼓膜が破れそうな大声が耳を直撃する。
「…どっかあるの?」
「バイト先!」
「あぁ〜。牛丼屋だっけ?」
「行ってみよう」
心なしか杏奈の声が弾んでるように感じた。