LOST ANGEL

オレは杏奈を部屋に連れ込み、兄貴と2人で大事な話があるといって再びリビングに戻った。


「兄貴…」

もぞもぞと這うように兄貴の真隣に座る。

「なんだよ!気持ち悪いな〜」

「ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

小声でつぶやく。

兄貴の顔が真剣モードに切り変わった。

「どうした?」

心配そうにオレの目を見つめる兄貴。



「…恋って、どういうもの?」

兄貴の目が点になる。

そして次の瞬間爆笑してソファーを転げ回った。

「なっ…なんだよお前っ」

涙を浮かべて笑っている兄貴に対して、オレはずっと深刻な顔をしていた。

「タバコ危ないって」

「おっと…お前のせいで危うく火事だったぜ」

「オレのせい?」

「だって…」

またクスクス笑いだす兄貴。

「お前が女子中学生みたいな質問するから」

女子中学生!?

「しっ…失礼なこと言うなよ!オレは真面目に相談しようと思ったのに」

「わりぃわりぃ」

と、言いながら兄貴の泣き笑いはしばらく止まらなかった。

「なに?慧斗くん、恋に落ちちゃったの?」

「シー!そんなデカい声で喋んなよ」

「誰もいないのに何でだよ…?」

それもそうだ。

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