恋、始めてませんか。
先輩と、始めてみませんか。

 ぱたぱたぱた‥

廊下を走ってはいけないなんて小学生のときに十分教えられた。
けど、緊急事態なんだから仕方がない‥!!

 校則違反の短いスカートの裾が校則違反の明るく長い髪と共に揺れる。

 「こらー!逃げるな!安西!!!」

後ろから息をゼエゼエさせながら担任のでぶっちょが追いかけてくる。

 「悔しかったらもっと痩せて捕まえてみなよ!」

疲れ果て膝に手を置いて肩を上下させる担任を
振り返り余裕の表情を浮かべそう叫ぶ。

 ドンッ

 振り返りながら走っていた安西は思いきり何者かにぶつかる。

 「わっ!ごめん!」

 そう言いながらぶつかった人のほうを見ると

 「っげ‥!生徒会長‥!!」

 「"げ"とは何ですか。本当に失礼な人ですね。一年B組 安西 凛さん?
 さあ、何故あれだけ私と先生方で先週注意したにも関わらず
 あなたのスカートと髪の色は改善されていないのか説明してもらえますか?」

 「や、これには深い事情が‥「ないですよね?」

 っう‥ もう、こいつ嫌い。
 二年‥何組だかは知らないけど 生徒会長 様様。
先生たちからも生徒からも絶大な人望。
顔・性格・頭・運動神経すべてよし。非の打ち所もない男。
それがこの男。相沢 悠太。最早私からしたら敵でしかない。





 
< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop