家族ノ絆ヲモウ一度
「これは、風燕自身が話してくれたことなんだが、子供の時に人間に騙されて、家族も殺され、家も焼かれて何もかもを失ったらしい。生き残った風燕と火燐は、その人間に監禁されて、金儲けのために見世物扱い・・・。」
親父は、言葉を詰まらせながら話し続けた。
あまりにも衝撃的内容で、私も言葉を失った・・・。
知らなかったこととはいえ、あまりにも残酷で・・・
「何年かして、隙を見てその人間の元から逃げて・・・家の後ろに裏山があるだろ?あそこに何百年も隠れて暮らしてたって・・・。」
「もしかして・・・」
「どした?」
私は、あの時の夢を思い出した。
火燐の部屋にいたときの夢・・・