家族ノ絆ヲモウ一度
そこにまた荷物。
緑涼が2つの小さな箱を持ってリビングに帰ってきた。


「蓮流と火燐が頼んだものきたべ(笑)」


そういいながら、蓮流と火燐にそれぞれの箱を渡す。

「何頼んだべか?」
「うん?俺は・・・」

どきどきしながら、彼らは箱を開けていく。

「蓮流の、きれいだべ!」
「火燐のそれかわいいな。」

蓮流が頼んでいたのは、和小物。椿の花が揺れるかんざしと柘植の櫛と鏡。

一方、火燐が頼んでいたのは、線香の形をしたお香数種類に、それを挿すかわいい雪ウサギの形をした台。

「きれいだな~蓮流のかんざし。」

緑涼がそういう横で蓮流がこういう。

「セミオーダーで作ってもらった。今日つくか心配だったんだよね(笑)」

一安心したのか、蓮流はほっと一息つくと、ニコニコしながらそのプレゼントを眺めていた。

「火燐のは、御香か。どんな香りにしたんだべ?」

「俺的に、椿ちゃんにあっていてそれで、リラックスできるような香りにしたべ。」

「ほ~。」

「この赤い箱が桜、白が白檀、茶色が檜、緑が伊草だべ。」

そういいながら、火燐は伊草の箱を少し開けた。リビングに変えたばかりの畳のような匂いがほのかに立ち込めていく・・・。

「確かにこれはおちくつべな~。」
「うん。俺も買おうかな・・・。」

緑涼と蓮流がそういうと、火燐はにこっとしながら「でしょ?」といった。


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