“愛してる”の、その先に。


ずっと、1人でも良いと思っていた。


物事にはいつか終わりが来る。


それを迎えるくらいなら、いっそ最初から何もない方が良い。


その方が傷付かないで済むから。





その先には、“終わり”しかないのだから。






「…えと…この先の未来を…」




「ちょっと待った。

ちゃんと名前も言って。
早川さんじゃなくて、下の名前でよ」



村井は頭をかくと、また私に向き直る。


まっすぐな瞳で、私を見つめた。




「…こ、これから先の未来を、2人で描いていきませんか。


ずっと大切にしますから…


僕のそばにいてください、真奈美さん」








私は笑顔を向けると、村井の胸に飛び込んだ。






…先のことなんてわからない。



未来なんて、誰にもわからないのだから。




それなら、今目の前にある“幸せ”を大切にすればいい。



目をそらさずにいれば、


きっと見えてくるはずだから。





…そしていつかその先に、





“愛しい人”の笑顔がありますように。








-END-








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