“愛してる”の、その先に。
思わず、口元がほころぶ。
こんな手のかかる先輩の介抱を押し付けられて、あんたも散々だったわね。
今週もずっと残業続きで、いくら若いとはいえそりゃ疲れるわ。
まぁ仕事はまだまだだけど…
ちょっと見直した。
「…ありがと」
そっと、その寝顔に向かって呟いた。
私もベッドに潜り込む。
そのまま、落ちるように深い眠りについた。
明け方、いつも見る夢を見て目が覚めた。
あまり、好きではない夢。
目が覚めると部屋に村井の姿はなかった。
”用事があるので先に出ます。村井”
テーブルの上に残されたメモを見て、何となくさみしい気持ちになる。