Perfume...
「いや……そんなことはないと思うけど」
「ま、性欲処理にしても心変わりにしても、浮気をしたら、下手したら慰謝料問題になりかねないですよね。よかったですね、イサムさん。これまでの浮気は大きな問題にならなくて」
イサムの顔が蒼ざめた。
「あ、でも、ヤヨイ姉?③っていう選択肢もあるかもだよ」
『男と別れたことなんてない、だってまぁくん一筋だもん』と言っていた五女のカンナの言葉に、イサムがまるで助け舟を出されたかのように目を輝かせて見つめた。
「何?!……えっと……名前」
「五女のカンナです」
「カンナちゃんだね。で。③の答えは何?」
食いつくイサム。
態度があきらかに、『浮気中の男』だよ……。
でも意外だった。
夢見がちなカンナがこんなところで助け舟を出すなんて。
小学校1年から20歳の現在まで付き合っている向かいのカンナと同い年のまぁくん、ことマナブ一筋のカンナが、浮気を語るなんて。
でもカンナはやっぱり夢見る夢子だった。