Perfume...


「③の答えは、『やきもち妬かせたい』」

「はいメルヘン出たッ」と叫ぶ妹たち。

「まぁくんにやきもち妬かせたくて、浮気しちゃう!とかカンナもときどき言っちゃうんです。あ、でも実際にはしないけど」

「……へぇ」


イサムの助け舟は闇の中に沈んだ。

それにしても、さすが12500円コース。

美味しすぎる。


「イサム、今日は妹の分まで出してもらってごめんね」


妹たちの分までおごるとは、まだ言ってもらってないけど。


「いや!気にするなって、別に」

「ありがと、美味しいわ」

「……機嫌……直った?」


耳元でイサムが囁く。

機嫌も何も。

今日でサヨナラだから。


「何が?」

「何が?って……あれ、誤解だから」

「あ、ごめん。ちょっと電話鳴ってる。席外す」


ケータイを手にして個室を出た。

まずい……。

泣いてしまいそうだった。

どうして……。


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