Perfume...
扉を開いて部屋を隅々まで見渡す。

この部屋には死角がありすぎる。

さっきの続きをどこかでしていたらそれこそイヤだ。


「ちょっと!!イサム!!いるの?!」


静まり返ったままの資料室。

物音は何もしない。

やっぱり二人はもうここにいない。

それを確認して、資料室を出ようとしたら背後から声がした。


「あの二人、今日が初めてじゃないよ」

「……え?……誰?!」


姿は見えないけれど声がする。

誰かがこの資料室に……。


「つーかさ、俺が知る限り、さっきのイサム?だっけ?かなり自己中なセックスだけど、あのブリッコ女もよく満足してるよな」


何……。

まさか、ここでイサムと石野さんは何度も……?とか。


「……自己中……?」

「女、感じてる演技してんのまるわかり」


……するどい。

確かにイサムのセックスは……良くなかった。

……って!

今は違う。


「ちょっと!!誰よ、出てきなさいよ!!」


やっと姿を現した男は、見たこともない男だった。

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