Perfume...
「だから俺もうれしい」
青山さんがまっすぐ私を見た。
「……え?」
「なんか俺も初恋の子にやっと会えたような気分。ずっと『チーちゃん』に会ってみたかったから」
そう青山さんが言ったと同時に彼が私の肩を抱き寄せた。
「ダメ。惚れるなよな、チーちゃんは俺のだから」
「ちょ……!何言ってんのっ」
「やっと会えたし。つか、お前にはやらねッ!」
ぐいっと胸に引き寄せられた。
固くて広い胸。
思った以上に、『男』になった彼の胸。
「あのなぁ……ったく」
青山さんのあきれた声が、とても安堵の声に聞こえたような気がした。
中学や高校時代のやんちゃ話。
夢を追った大学時代の話。
二人の話はとても優しい思い出でいっぱいいだったから、すごく安心した。
彼はさみしい時間を過ごしたわけじゃない。
それだけで、とてもとても安心した。