Perfume...


「誰……あなた!ま、まさかっ!!」

「何?」

「企業スパイとか?そうよ!そうに違いないわっ!!こんな資料室に声を潜めてずっといたなんて!!」

「……はぁ?」


まっすぐ私を見つめて……。


「あんたが噂の大石チヒロか。ふーん……思ったより……」

「……」


吹き出した。


「思ったより、バカだね」

「はっ!!」

「想像してたのは、『滝川クリステル』風の才女だったけど、企業スパイとか……。もしかして天然?」


意味が……わからないんですけど。


「騙されないわよ!それにあなたIDカードだって携行してないじゃない!!どこの誰よ!」

「んー……1週間前から毎日ここで生エッチ鑑賞してた男」

「……毎日……」

「はは、気になるんだ?ま、いいんじゃない?あんな男捨ててやって正解だよ。だってこの神聖な資料室を汚すんだから」


『神聖な資料室』


彼がその言葉を使ったことに驚いた。


「……あなた……誰?」


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