Cotton Candy【ベリカ限定】
「リビング行く?」


あたしが訊くと、雅はニコッと笑った。


「姫華の部屋がイイ」


「じゃあ、上だから……」


何となく気恥ずかしい気持ちになって、小さく言った。


そして、階段を上り始めた。


ドキドキする。


雅の気配を背中に感じて、心臓が忙(セワ)しなく動く。


二人分の足音が、静かな家の中に響いていた。


階段を上り切ったあたしは、自分の部屋に向かってドアを開けた。


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