Cotton Candy【ベリカ限定】
「姫華っ……!」


後ろから、雅が呼んでいる。


だけど、あたしは振り向かずに走った。


いつもの笑顔で、あたしの言葉を否定して欲しかった。


本当は、何でもいいから言い訳をして欲しかった。


あたしを呼ぶだけじゃなくて、追い掛けて来て欲しかった。


だけど…


あたしの願いは、何一つ叶わなかった。


悲しみの中で脳裏に浮かんで来るのは、雅の隣で幸せそうに笑う美穂…。


胸が張り裂けそうなくらい、痛い。


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