ヤンキー王子とラブレッスン①【完】
狼の群れと子羊ちゃん
「あ、陸くん達だ」
楓ちゃんが、ひょこっと体を斜めにして、あたしの後ろに視線をやった。
……と同時に、
「じゃあ、僕、行くね」
と、楓ちゃんはあたしに、小さく手を振った。
「う……うん。
じゃあ……」
楓ちゃんに向かって、あたしも小さく手を振り返すと……。
楓ちゃんは、あたしの横を通り過ぎざま、こう言った。