ヤンキー王子とラブレッスン①【完】
あたしの髪を離してあごに手を当て、五十嵐くんは、鏡越しにあたしと視線を合わせた。


「誰かここに来させるから。
髪、アップにしといてもらって」


「あ、のっ……」


鏡の中の五十嵐くんに呼びかけてるのに、五十嵐くんはくるりと、あたしに背を向けた。


「じゃあ、俺、戻るわ」


「五十嵐くんっ……」


「パーティの主役がいなくても、誰も困らねぇけど。
長い時間いないと、ヤリすぎだろって思われるから」
< 332 / 447 >

この作品をシェア

pagetop