ヤンキー王子とラブレッスン①【完】
でも……。


「さっき一之瀬さんが来たとき、おまえ、俺に助けを求めて……。
それから、俺の後ろに隠れたよな?」


五十嵐くんは、壁に片手をついた状態で、あたしに顔を近づけた。


その顔は、さっきよりも怒りを含んでいるような気がして、あたしは視線を横にずらした。


すると五十嵐くんは、あたしのあごを軽くつかんで、あたしの顔を正面に向けた。


「あんなかわいい真似をしといて、これからは守ってくれなくていいなんて。
どのツラさげて言ってんだ?」
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