ヤンキー王子とラブレッスン①【完】
そう言う五十嵐くんの瞳は、静かなのに、強くて、おまけにとても鋭くて。


あたしは震えながら口を開いた。


「あれは……ほんとに……感謝……してます。
でも……」


「でも?」


あたしの言葉を復唱しながら、五十嵐くんは片眉をピクリとあげた。


「でも……。
も……大丈夫だから……」


あごをつかまれたまま、あたしは視線だけを横にずらした。


そんなあたしに、五十嵐くんは静かで低い声を落とす。
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