ヤンキー王子とラブレッスン①【完】
そんな楓ちゃんの声からあたしを守るように、五十嵐くんはギュッと力を込めてあたしを抱きしめた。


そのうち……。


わめき疲れたのか、叩き疲れたのか、はたまた、あたし達がここにはいないと思ったのか、ドアの外で楓ちゃんの声はしなくなり……。


五十嵐くんは、あたしを抱く腕の力を緩めた。


「なるほど、ね。
そういうことか」


腕を組みながら一歩下がり、顔を斜めに傾けて、五十嵐くんはあたしを見おろした。

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