ヤンキー王子とラブレッスン①【完】
「つーか、おまえなんかが、強くなれるか。
なんだよ、この細っこい手首」


憎まれ口をたたきながら、五十嵐くんはあたしの手首を親指と人差し指でつまみあげる。


「俺なんかが、ほんの少し力入れただけで……。
確実に折れるだろ」


「そんなこと……」


“ない”とは断言できないのが悔しくて。


あたしは少しだけ唇を尖らせた。


そんなあたしの様子をクスクス笑い……。
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