天然王子とツッコミ姫☆
内心ドキドキ西山の様子をそーっと窺う。と、
「……それ、本当!?」
――そこにいたのは、瞳をキラキラと輝かせた西山だった。
うわぁなんだこれ、イケメン様の笑顔は破壊力がやっぱり凄まじいなオイ!!
西山は私の両手をぎゅっ、と握りしめると、
「じゃあ、行ってくるね!!」
「……あ、うん。行ってら〜」
「待ってるからねマイハニー!!」
そう言って、教室の外へと走り去って行った。……やっぱ早い。
私は、ぐんぐん小さくなるその後ろ姿に
「気持ち悪い呼び方すんなー!!」
と罵声を浴びせてスッキリしてから、事の成り行きを静かに見守っていた志帆ちゃんに向き直る。