天然王子とツッコミ姫☆
結局、校内散歩できなかった……と考えてうなだれる私の頭に、
『待ってるからね!!』
突然――西山の声が、頭の中に響いてきた。
「…………っ!!」
部活行くって言って、結局見に行けなかったけど……
あの西山のことだ。
「ちょっ、麗子ちゃん!!私、もう帰るね!!」
「はい。ご機嫌よう」
もしかして……?
「他の皆さんもバイバイ!!」
『さいなら〜』
私はみんなに挨拶すると、自分のかばんをひっ掴み、
真っ暗な外を走り抜けてテニスコートへ向かった。