天然王子とツッコミ姫☆
【朝】
学校から徒歩5分の場所にある、『ソフトハイツ』の206号室。
その部屋で一人暮らしをしている私は、
「……卵焼きを入れて、っと」
よし、完成っ!!
キッチンでそう呟きながら、テーブルの上に乗っている二つの弁当箱を見比べた。
普段から私が使っている弁当箱ともう一つ…約束していた、西山の分のお弁当。
…一回りサイズの大きいそれは、以前父さんが使っていた物だった。
ずっと仕舞い込まれていた弁当の中には現在、私の作ったおかずがたくさん並んでいる。