好きの気持ち
いろいろと考えてると、
どこからか、
「健ー!」
と呼ぶ声がした。
振り返るとそこには同じ学年の竹居 美沙子(タケイ ミサコ)がいた。
圭「俺達先行ってるから♪」
凌馬「じゃーな、」
と要りもしない気遣いをして俺を置いて先に行ってしまった。
ったく……
あいつらは勘違いをしている。
俺と美沙子は、大学を入学して間もない頃に、ほぼ流れで付き合っていた。
本気で好きだったと言えば嘘なのかもしれないが、ある程度好きだったことは確かだ。
本音は、美穂を忘れて次に進みたかったっていうのもある。
でもそれは出来なかった。
こんな浮わついた気持ちで付き合うのは申し訳ないし、
時間が経ってしまう前に別れた方が美沙子のためにもなると思って、
1ヶ月も経たない内に俺達は別れた。