おかしな君と。

距離

あたし達はそれからよく話すようになった。











ふと伊織くんと目が合うとドキドキして、あの日のキスを思い出してしまう。












『どーしたの? 固まってるよー』






『あーっ、何でもないの!! それにしても中山くん、前髪ながすぎない?切ったらいいのに』





あたしはそう言いながら彼の前髪を流してみた。







けっこうキレイな顔なのに。

そんな前髪じゃあ根暗みたいでもったいないよ…。









「髪型とかさぁ、制服の着こなしとか変えたらイケメンなんだろうね…」








『失礼なこと言うね… 今はダサいけどみたいな』





「うん、」


超笑顔で答えてやった。









ぷいっと横を向いてしまった伊織くんに


また胸の奥がきゅんとした。
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