おおかみ=彼氏!?
「なに?痴漢?」
「そうみたいよ。」
「でも、冤罪がどうのこうの言ってなかった?」
口々に好き勝手言っている。
「俺が痴漢した証拠なんて、どこにある!?」
おっさんは、周りの人に聞こえるように、わざと大きな声で言う。
このおっさん……最低だ。
「ふざけるのも大概にしろっ!!」
ふざけてんのは、どっちだよ。
―――――許せねぇ。
俺は、おっさんの胸ぐらを掴み、
殴りかかろうとした。
「待ってっ!!」
でも俺の手は、乗っていた女の客の声によって止まった。
「私……この人が、あの子を痴漢している所、見ました!!」
「なっ!!!」
女のいきなりの告白に
男は見るからに焦っている。