Vampire*Love

「なんでもないよ。」

作り笑顔で森に言う。

「なんでもないなら、なんで作り笑顔？」




あぁ、だめだ。




今日会ったばかりなのに、この人には一生かなわない気がする。

「……ひとつ、聞いていい？」

「どうぞ？」

「なんで、あんなことしたの？」

「あんなことって？」

「もう。分かってるクセに。」

森はニヤリと笑う。

「桜姫が可愛いから。」

「うそ。本当のこと言って？」　

なんで？

悲しそうな顔するの？

「じゃあ、俺がアメリカ育ちだからってことにしとく？」

「アメリカ育ちなの？」

「まぁね。だからこういうこともする…」

そう言って彼は私のおでこにキスする。

驚きと照れで顔が赤くなる。

「ほら、またそういう顔する。」

苦しそうな顔する森。

「そういう顔って？」

「すごくキスしたくなる顔。」

また、耳元で囁かれた。

心臓がうるさい。

「キスしていい？」

それは、

とても

甘く、妖艶な声で。

美しく、魅力的な顔で。

私は頷いくことしかできなかった。