Vampire*Love
「ドレス、似合う。」

私の手を繋ぎながら、

周りには聞こえないくらい小さな声で囁く。

だから…

そっちの方が普通に話しかけられるより、

ドキドキする。

「ありがと。」

「でも、困った…」

「?なにが?」

無言…

なにか言ってほしい。

今度は聞こえるか聞こえないくらいの声。

「桜姫を俺から離すわけにはいかなくなった。」



「なんで?」

私が聞き返すと微笑む森。

「とりあえず、踊るか。」

そう言うと、

私の腰を引き寄せ、

踊る。


フッと私を見る森。

その目が綺麗すぎて。

やっぱり、

全身が痺れる。

どこか、危険な目。

身体が震える。

目眩がする。


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