身魂一体!!
〜+*☆*+*☆*+〜
「やあっ!」
「うらぁ!!」
なんで……
『私は試合無いの〜っ?』
「まあまあ(汗)」
先生が言い渡した試合者の中に、私の名前はなかった。
今、試合をしているのは部長(声で言うと前者)と2年の加藤大成(後者)。
加藤は2年のなかでは1番強い。だから次期部長として、現部長との試合は週1ペースでやっている。
勝ってるところは1回も見たことないけど。
「面あり」
〈パチパチパチ〉
「勝負あり」
あ、また負けてる。
「次の試合。冷野と結城は準備しろ。」
「「はい。」」
結城って言うのは〔結城雅斗〕。
同じ2年で、加藤と同じ道場に通っていたらしい。
たぶん、次の副部長じゃないかと言われてる。
「「お願いします。」」
2人が、互いに挨拶をして、試合が始まった。
少しすると、私の隣に加藤がきて、面を取り始めた。
『おつかれ。相変わらず負けてたね(笑)』
「うるさい。いいよ、次は絶対勝つから。」
『それ、この前も聞いた。』
「メーン!!」
「ほら、結城も負けてるし。」
『人の負けを喜ぶな。』
冷野先輩と結城の試合は、もちろん冷野先輩の勝利で終わった。
この後は、ミーティングを済ませて帰るだけ。
「真柴さん、試合どうだった?」
『あ、塔子。2年は惨敗だよ。っていうか、どうして来なかったの?』
「ちょっと居残りさせられちゃって。」
『そっか、お疲れ(汗)じゃあ、荷物置いたら並びなよ。もう終わりだから。』
「来た意味無かったかぁ。」
今のは〔佐々木塔子〕
2年生。あまりにのほほんとし過ぎているから、剣道経験者には到底見えない。
だけど、剣道になると、38度の熱があっても勝利を勝ち取るという意外性を持った人物だ。
とりあえず、ミーティングも終了し、皆は着替えを始めた。
「あれだね、滝沢は絶対に手抜いてた。」
「スミちゃん、よくわかるね。そんなこと。」
〔千葉澄伶先輩〕と
〔由沢音葉先輩〕
この2人はいつも一緒にいる。