海辺でキミと。
その彼は私の方を向いた。
背は180cmくらいで髪は栗色で少し焼けている。
甘いルックス。女子にモテそう。でも、そんなやつ、私は嫌い。

「ああ~、さっきの。」

「先ほどはありがとうございました。」

「あ~、あれは友達がバカなことやっててしょうもねえと思ったんだよ。それに、お前んとこ、儲かってなさそうじゃん?だから悪りぃなあと思って。」

「んなっ失礼な!まあ確かに最近できた、大きな海の家に、お客さん、とられてますけど。。。」

なんだよ。ムカつくやつ。顔がちょっといいからって調子に乗ってる。

「ははっ、だろうな。じゃあな。」

「あっ待ってください。もしよかったらこれを。」

私は店の割引券を渡した。

「いらねえよ。そのかわり、おまえの店でバイトさせてよ。」

「えっ!?」

「俺、ちょうどバイト探してたんだよ。それに俺が入れば、いっきに店の売り上げが上がると思うぜっ。」

なにこいつ~。ムカつく~。こいつとバイトとか無理だし。

「いや、でも定員オーバーなんで。ごめんなさい。」

「別に定員とかないだろ?>お前んとこ、バイトしてるやつ少なくて、ちゃんと運営できてなかったし。」

「いやいや、今日はお客さんがたまたま、いつもよりも多くて。」

「ならジュース無料券を100枚くらいもらわねぇとな。」

「困りますよ、そんなの。」

「ってか定員オーバーとかないんじゃないのか?」

図星。だって一緒にバイトとか、まじ無理なんですけど。
まあでも、シフトの時間、替えればいいだけか。なんか、しつこいそうだし。

「わかりましたよ。おばあちゃんに聞いてみます。じゃあ一緒についてきてください。」
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