私の好きな人は駐在さん


あぁ……もう、早く終わって欲しい!

着替えようにも、どうやら理子が、私の服をこっそり持っていってしまったようで、
今この場にはこの、婦人警官の服以外に着られるものはない。


やられた……まんまとはめられた……新人ごときに。

理子――西岡理子は、今年入社してきたばかりの新入社員。
なのに、私の新入社員の時とは正反対で、
この奇妙なイベントの話を聞いた時も、

「えっ!面白そうっ!楽しみですぅ~!」

と目を輝かせるという、変わり者。
未だかつて、このイベントにここまでノリノリな社員を見たことがなかった。




しょうがない。腹をくくるか。

カーテンを少しあけて顔だけを出し、周りに誰もいないのを確認してから、
そろりとパンプスに足をいれた。


スカートの裾を
伸びろ伸びろ、と言わんばかりに下に引っ張りながら、
膝をこすりあわせるようにモジモジと歩いた。



あぁ……恥ずかしすぎる……早く帰りたい、脱ぎたいぃ……!

私の心の叫びは、痛烈だ。





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