私の好きな人は駐在さん

すべてが、急展開過ぎて、頭がついていかない。

まず、はじめて、まともに会話したこと。

そして、相手が、私のことを覚えていたこと。

そして、彼の名前が聞けたこと。しかも、ごく自然に。

そしてそして!!ここが重要なんだけれど!!
かおるさん……って!!!!

名前をほめてもらえた上に、よんでもらえたなんて…!!
信じられない!!

私がほめたから、社交辞令でほめ返してくれただけだとは思うけど、それでも嬉しかった。
あまりにとんとん進みすぎてまだ、呑み込めてないけれど、
でも……!!


もう、今にも私は踊りだしそうだった。
このまま、スキップで帰ろうかと思えるくらいだった。

冬がそこまできているなんて感じさせない心地よい陽だまりの中、鼻歌交じりに、軽やかなステップで、駅へと歩を進めた。



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