私の好きな人は駐在さん
「あなた、相変わらず、見かけによらないでズバズバいうわね。」
由紀はPCの画面を見たまま、言った。
「そうですかあ?私は思ったまま言っただけなんですけどね~」
理子は、デスクの負った傷の深さなんぞお構いなしにそういった。
「あなた、まさに、『女』って感じの女ね。」
凛とした横顔で由紀が言った。
「え?かおる先輩、どういう意味ですかぁ??」
急に私の方に飛び火してきた。こんなところでやけどなんか負いたくない。
「さ、さぁ?か、かわいらしい、ってことじゃない…?」
苦し紛れにとっさにそう答えた。
「ふーん、そうなんですかねぇ。ま、いっか!あ!もうこんな時間だあ!!私、ランチいってきまーす!!」
そういって、元気よく席から立ち上がって、ルンルンと歩いて行った。
全く、これが、若さってものなのか。
でも、私もさほど年は変わらないし、彼女の年のとき、果たして私もそうだったかと考えると、首を縦にはふれなかった。やはりこれは、性格の問題なのだろう。
「由紀も!こっちにとばしてこないでよね!!」
火の粉を振り払うようなジェスチャーをして、私は言った。
「あら。ほんとのことをいっただけじゃない。」
この二人。ジャンルは違えども、根本は同じようなものをもってるのかもしれないな…と
ふと感じたのであった…。