私の好きな人は駐在さん


可愛い服を見てみては、
あぁ、こんなの着られたらなあ、なんてことも思ったりする。一応、女子である。
髪は今はミディアムで、少しウェーブをかけているけど、学生時代はずっと短かったし、今まで一度も染めたことはない。
ただ、地毛自体が少し茶色いのだ。

そういう訳で、昔から自分を飾ることはしてこなかったのだ。


――自分ではいいにくいことなのだが――そのわりには意外に男性から好意を持たれることは多かった。

学生時代、見たことのない先輩から、友達伝いにいわゆるラブレターをもらったり、
部活の後輩から告白されたり、意外にも気持ちを伝えられることは多かった。

しかしそれが必ずしも自分の自信につながるわけではなく、私はむしろそれを訝しんでいた。
何故私なんかに……と。
友達はそんな私を見て、「謙遜しすぎも考えさせられるものだわ。」なんて良くいったものだけれど、
謙遜じゃあないのだ。

出来るだけ、シンプルに。目立たぬよう。

それが私の今までの、モットー。


だから

今こんな格好をしていることが猛烈に恥ずかしいし、居たたまれないの!

部長達の、面白そうな物を見るような好奇の目が、辛い。



< 6 / 67 >

この作品をシェア

pagetop