いつか、眠りにつく日
『立ち入り禁止』と書かれた工事現場をすり抜けると、建設中のビルが暗闇の中にそびえ立っていた。黒い大きな塊が怪物のように私たちを見下ろしている。1ヵ月の間にさらに高くなったように見えた。
「なんか不気味」
思わず身震いすると、
「地縛霊はいなさそうだぞ」
と言って中に入ってゆく。
「う・・・待ってよ~」
建設中といっても、下層部分はほとんど完成しているようだった。当然エレベーターは使えないから、階段を登るしかない。
身体が光っているので見えにくいことはないが、クロは私より先をどんどんためらわずに登ってゆく。
改めて登ってゆく背中を不思議な気持ちで見る。
「なんか不気味」
思わず身震いすると、
「地縛霊はいなさそうだぞ」
と言って中に入ってゆく。
「う・・・待ってよ~」
建設中といっても、下層部分はほとんど完成しているようだった。当然エレベーターは使えないから、階段を登るしかない。
身体が光っているので見えにくいことはないが、クロは私より先をどんどんためらわずに登ってゆく。
改めて登ってゆく背中を不思議な気持ちで見る。