いつか、眠りにつく日
 これほどまでに夜の公園が不気味だとは思わなかった。

 ゆっくりあたりを見回しながら進むが、誰もいない公園は静かすぎて風が木を揺らす音にさえ飛び上がりそうになる。

「幽霊が幽霊を怖がるなよ」

「うるさい」

 右手に噴水が見え、その向こうにはテニスコートがあった。

「いないね・・・」

「もう移動しちまったのかもな」

 人工的に作られた自然を強調した公園は、いたるところにベンチが置かれていたが、どこにも栞の光は見当たらなかった。



 

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