いつか、眠りにつく日
 かわいそうに・・・。

 まだ小さいのに、なんてことだろう。本人も、そして家族もどれだけ無念だったことか、想像するのも苦しいほどだ。

「小さい人間の場合、たいてい親が未練に関わっているものだけどな」
クロがソファに座ったまま背伸びをしながら尋ねる。

 カクガリはうなずくと、
「もちろん最初は両親の元からまったく動こうとしなかったです。寝る時も親の布団にもぐりこむほどベッタリひっついてましたが身体は光らなかったっす。同居で祖母がいたのですが、未練とは関係ないみたいで」
と報告した。

「じゃあ、交友関係とかは?」

「はぁ、それで通っている幼稚園に行こうかとさっき出かけたんす。そしたら急に雨が降り出して、バス停で雨宿りしてたら急に泣き出しちゃって大暴れ・・・。それでおふたりに助けられたわけなんです」
よほど懲りたのだろう、下唇をつきだして変な顔をしている。






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